オフブロックチェーンによる仮想通貨の性能向上

こんにちは、北川です。

ビットコインの登場によりブロックチェーンは、信頼できる第三者を介さずに分散型の暗号通貨を実現可能であることを示しています。しかし、ブロックチェーンには、スケーラビリティ問題が存在します。このスケーラビリティ問題というのは、一つのブロックに対して書き込めるトランザクションの数が決まっているため、取引の処理が遅延してしまうという問題です。そこでこのスケーラビリティ問題を解決するために、登場したのが取引記録の結果のみを記録するオフブロックチェーンという技術です。このオフブロックチェーンにより、トランザクション自体をまとめて減らし、ブロックサイズが現状のままでも数多くの取引を行えるようになりました。

ただ、オフブロックチェーンなどの決済チャネルを確立するためには、初期残高としてチャネルにどれだけの資金を預けるべきかを決めることが、重要な問題となります。資金が少ないと、チャネルを頻繁に再構築する必要があり、より多くのブロックチェーンアクセスにつながります。

そこで、オフブロックチェーンの支払いに関する問題に取り組んでいる研究がありましたので、先日の研究室ミーティングで紹介・議論をしました。

  • タイトル:Secure Balance Planning of Off-blockchain Payment Channel Networks
  • 著者:Peng Li , Toshiaki Miyazaki , Wanlei Zhou
  • 発表:IEEE INFOCOM 2020

この論文は、オフブロックチェーンの支払いに注目した研究となっています。支払いネットワーク構築における初期残高として支払いチャネルにどれだけの資金を入金すべきかを決定することが主な課題であり、それを解決するために、ノード間の支払い需要を推定した上で、支払いチャネルの初期バランスを決定する手法を設計し、評価を行っています。このバランスプランニングにより、支払いチャネルの支払い要求を高い確率で満たすことが可能になり、他の設計よりも最大で30%多くの支払いをまかなえることが示されました。

オフブロックチェーンの現状では、セキュリティの脆弱性が露呈していますが、独自のセキュリティシステムを構築することで、ブロックチェーンから変わる新たな取引システムが登場してくるのかもしれません。
また、代表的なオフブロックチェーン技術としてビットコインに導入される予定の「ライトニングネットワーク」、イーサリアムで提案されている「ライデンネットワーク」などがあげられています。気になる方は調べてみてください。