研究室について

2020年4月からスタートした研究室です。
本研究室では、多種・多数の計算機が連携することによる価値を追求します。
工学院大学 情報学部 情報通信工学科および大学院工学研究科 情報学専攻に属しています。

主な研究トピック

IoT (Internet of Things)
関連キーワード:Publish/Subscribe, MQTT, エッジコンピューティング, 等

身の回りのさまざまなモノがネットワークを介してつながり、私達の日常を支え、より豊かにする、そんな未来が近づいてきています。例えば、路上のセンサや歩行者のスマートフォンが自動車と連携し、高度な自動運転をおこなう、といったサービスの実現が期待されています。
本研究室では、以下のようなテーマでIoTに関する研究をおこなっています。

  • IoTデバイス同士の情報交換の方法
  • 大量のIoTデータを収集・管理する方法
  • これら技術を応用した、新たなIoTサービス

特に、MQTT等のpub/sub型通信技術や、エッジコンピューティングによるIoTデータ処理技術をターゲットとしています。

pub/sub型通信
データの内容によって、送受信相手が定まる通信の仕組みです。典型的には、ブローカと呼ばれる中継サーバがデータの内容に応じて適切な受信者へとデータの転送をおこないます。送信者・受信者は、お互いを直接意識する必要がないため、通信管理に煩わされることなく、データの生成・消費に専念できるメリットがあります(疎結合性)。

エッジコンピューティング
エンドデバイスの近く(エッジ)にサーバを配置し、クラウドサーバとエッジサーバ、あるいはエッジサーバ同士の間で、分散処理をおこなうものです。クラウドと比べ、低遅延な処理が可能であり、また負荷分散により収容可能なデバイス数の向上等が可能となります。

P2Pシステム
関連キーワード:オーバレイネットワーク, 分散ハッシュテーブル, Skip Graph, ブロックチェーン, 等

P2Pシステムは、多数のコンピュータが対等な関係で連携して、全体として何らかの処理を実現するものです。一般的なITシステムでは下図右のような集中管理型の構成が多く用いられますが、P2Pシステムは下図左のように「親玉」が居ない自律分散型の構成をとります。

P2Pシステムには、以下のようなメリットがあります:

  • 耐障害性:各コンピュータは自律的に動いているため、一部のコンピュータに障害が起きても全体は動き続けることができます。
  • スケーラビリティ:参加するコンピュータの台数を増やしても、台数増による負荷が一極集中しないため、台数を柔軟に増やして全体の処理性能などを上げることができます。

P2Pシステムの応用は多岐にわたります。IoTにおいても、膨大なIoTデバイスを連携させる手段として、P2Pシステムが注目を集めています。また、2009年以降、社会に大きな影響を与えている、ビットコイン等のブロックチェーン技術もP2Pシステムの一種です。
本研究室では、そうした、P2Pシステムの技術について研究しています。たとえば、「1億台のコンピュータの中から、特定の名前を持つコンピュータをすばやく見つけ出すには?」といった問いに答えるアルゴリズム等の研究をしています。

自然言語処理
(作成中。諸経緯により新たに取り組み始めています。研究室として知見の浅い領域なので、取り組みたい学生の方は特に自主性が求められます)

ソフトウェア

  • MQTTLoader
    本研究室で開発している、MQTTブローカ用の負荷テストツールです。
    MQTTはIoTシステムで用いられる通信プロトコルの一種です。
    本ツールはMQTT v3.1.1およびv5.0に対応しています。

卒業生・修了生の主な就職先

沖電気工業株式会社, 日野自動車株式会社, 株式会社VINX, 等


工学院大学の学生のみなさまへ

本研究室に興味がある方は、担当教員・坂野に連絡してください(連絡先)。
適宜、個別説明や見学の場を設けます。(学年問わず、見学は歓迎です)

研究テーマについて
研究テーマの決め方にはいくつかのパターンがあります。
自分でやりたいことを見つける、先輩のテーマを引き継ぐ、教員が提案するテーマに取り組む、等。
いずれにしても、興味とマッチすることを重視しており、みなさん自身で方向性を決めてもらっています。
(教員や先輩が随時相談に乗ります。テーマが見つからない場合には教員から提案します)
研究室の活動について
研究活動については、自由・自主性を重視しつつ、必要に応じて積極的にサポートする方針です。
興味がある人には、OSS(オープンソースソフトウェア)の開発に参加してもらうこともできます。
ゼミ運営等については、できたばかりの研究室のため模索中ですが、現状は以下のような形式です。

【2022年度の運営形式】
週に1回、定例ゼミを実施しています。研究発表3名+論文紹介1名で、概ね1.5時間~2時間程度です。
それとは別に、3週に1回、チュートリアルを実施しています。1名が講師役となり、研究に役立つツール等の使い方をレクチャーします。こちらは1時間~2時間程度です。
※開催頻度等は研究室メンバーの人数によって変動します

ゼミは対面実施です。
遠隔会議は便利ですが、失われるものもあります。とりわけ犠牲になるものとして、議論の質関係構築の機会があります。
身振り手振りやアイコンタクト等、対面と遠隔で得られる体験には、まだ相当の隔たりがあります。
また、対面であればゼミの前後に自然と雑談が発生するのですが、遠隔の場合、その機会がなかなかありません。こうした小さなコミュニケーションの積み重ねで得られる、気軽に話せる関係性(特に学生同士の関係性)は、将来にわたって財産となるものです。
このため、ゼミは対面実施を基本としています。(何らかの事情で対面参加が難しい場合には、遠隔会議も積極的に併用しています)

コアタイムはありません。
ただし、卒業・修了のためにペースアップしないと危ない、と判断したときは、リズムを作ってもらうために個人単位でコアタイムを設定することはあるかもしれません。
坂野はコアタイム無しの環境が好きなので、コアタイム設定には消極的です。

研究室では机を1人1つ割り当て、ノートPC1台とモニター1~2台を貸与します。
ノートPCの例:DELL Inspiron 14 5410 (Core i7-11390H, 16GB RAM, 512GB SSD, Win 11 Pro)
モニターの例:DELL P3421W (34インチ, 3440 x 1440, 曲面)
楽しく集中して研究に取り組めるよう、居心地の良い研究室を目指しています。

学生部屋の様子(2022年5月)


カフェスペース

本棚

3Dプリンタ

eGPU(外付けGPU)

ドローン

ロボット掃除機

サーバクラスタ

実験用ネットワークスイッチ
外部発表について
研究室メンバーによる学会等での外部発表を、積極的におこないます。
外部発表では、研究の成果を論文としてまとめ、聴衆の前でプレゼンをおこないます(どちらかのみの場合もあります)。
こうした外部発表は、研究内容の議論を深めたり、新しい着想を得るきっかけとなりますし、プレゼン技術を磨く機会にもなります。
なにより、世界で自分しか知らない知識を共有して歴史に刻む、という体験はエキサイティングなものです。
また、良い成果が出てきた研究については、海外の学会(国際会議)での発表も奨励します。
国内/外ともに、出張の旅費は原則として研究室の予算から出します。

学外のみなさまへ

産学連携のご相談を随時お受けしています。
共同研究・受託研究や技術調査等、様々な形での連携が可能です。

また、研究活動を助成するご寄附を募集しております。(税制上の優遇措置があり、法人の場合は損金算入が可能です。詳細はこちらをご参照ください)

ご興味のある方は、メールまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡いただけますと幸いです。